そして、土星と木星がぴったり重なるころに、3000mSC(3000メートル走る間に障害を計28回水濠を7回越える競技)を参照しながら作ったウイルス対策のアクリルパーテーションをもって印旛の方に向かっていた。相手方のいない占いをするために。暗くてよくみえなくて月と火星の役をしてた石が途中いれかわったり最終的に月の役の石がセメントのかけらといれかわったことに明け方きづいた…
駒込倉庫『明け方の計略』で展示していたときにペット玩具とサイゼのチキンの骨で邪気ポットをつくったのですがその形はペストが流行った時代にドイツやオランダの家で飾られていたUnruhという家具を参考にしたもので、ウイルスの再流行についてその時話したのだった。自分にとって未来は断片的にもたらされた情報に対応する現実となってしまい、そういった意味でこの一年は自分にとって戸惑う間を与えてくれなかったように思う。訪問した鳥の数や姿をいちいち覚えていないように、そういう情報が目の前を横切ると、それをどう記録するのか、保護するのか、管理するのか、全然わからなかったし、かといって、鳥を追い払うことは自分にできなかった。鳥が横切る中でただオートマチックに占いをするこの身を癒すことに徹したのだった。
そしてその断片的に得たことを言葉にして伝えようとしたり、美術に持ち込もうとしてもそれは自分の努力では難しかった。そのため、今年私が制作したものは今年のはじめに作ったTOKIOの長瀬智也さんを共同体から呼び出す文句をうたった映像、春にみたアンジュルムの佐々木莉佳子さんと祭りのなかをダッシュして服についた濃さの異なる焼きそばを丸める夢についてのメモと、その佐々木さんと実際2回お話した思い出、秋に制作した掃除道具とチェキタロット、そしてこの3障アクリルパーテーションとなった。
これらの制作の過程でさり気なく真摯な言葉をくれた人の優しさに本当に助けられました。自分は、いま自分がみていることとかそれに辿り着く道について説明ができないのですが、その道について尋ねたり問うのではなく、その道を一緒に歩きながら話してくれるような人たちがいることに感謝です。 。