《土星プロレス》
ミクストメディア
2018
於|「明け方の計略」駒込倉庫
協力|IMAI,UEDA
烏{2017年12月に土星が山羊座に入宮したのに伴い、メランカオリは日々行なっている実践(例えば通信トラブルに遭いやすい時期に作った呪術図や、十字架の形に舐めた飴、日々撮りためている写メなど)を「土星プロレス」と呼ぶようになった。この呼称については諸説あるが、メランカオリがコンゴプロレスやルチャリブレの戦術を参照していたことに由来している。
土星のことを考えるあまり土星につられて作業が遅延してしまい、搬入日の前日になっても展示すべき作品がなかったため、メランカオリは必要そうなものを詰めて搬入現場へ向かうことにした。心細かったため、荷物の他に、友人である今井さんと上田さん(2人は式神と呼ばれていた)を連れてやってきた。今井さんは新幹線で落ち武者を千体憑けてきたメランの学友だ。上田さんはメランカオリの教え子で、かつてインドで野良犬をまとめていた。式神2人も各々必要そうなものを持ってきた。メランカオリの父と母はメランカオリが高校生の頃によく借りていた平塚市中央図書館の『エネアデス』という本を借りて差し入れで持ってきてくれた。乙女座の人たち=小泉明郎さん、森田浩彰さん、ネズミ(恋人)が展示台と照明を用意してくれた。そうやって出来た場所で、来てくれた人たちと占いが行われた。それは間も無く大きな時代の節目を迎える星と運命を共にすることへの心の支度だった。
※この作品はアートトとAITと文化庁が、次代の芸術家育成を目指して開講している「アーティストプラクティス2017」の一環で企画された展覧会「明け方の計略」で発表された。 「明け方の計略」について